わざわいの影には幸運の女神が寄り添っている |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

わざわいの影には幸運の女神が寄り添っている

定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第二十九回

★ピンチはチャンス

 今日とりあげた節は老子第五十八章の「禍は福の倚る所。福は禍の伏する所。」です。私達の人生は、どんなに日々努力を重ねても、幸運な事ばかりが続くわけではありません。予定外の出来事で不運に見舞われる事もありますし、またふとした切っ掛けで思わぬ所から幸運が巡って来たりします。これらについて「老子」は次の様に語っています。――禍が来ても実はその陰にはもう幸せが寄り添っており、幸運の陰には、禍が潜んでいると。つまり、どんなピンチな状況に陥っても実はそこにはすでにチャンスの女神が救いに来ていると教えているのです。なんて素敵な考え方でしょう。

 

 たとえば、クライアントの意向を誤解して、仕事に失敗しピンチだと思った事が、実はその時、誠心誠意対応したこちらの真剣さが伝わってクライアントの信頼を得ることが出来、長期的な顧客になってくれたという様な例は、ピンチのお陰でチャンスを掴めた好例です。

 つまりどんなドン底の時でも、実はそこに幸運の女神は静かに寄り添ってくれているのです、落ち込む事はありません。あきらめず明るい方へ前向きに進めば必ず幸せな道へ転換出来ます。そしてまた逆に幸せな時ほど要注意です。足を地につけて、浮かれないように、気をつけてゆきなさいよ、と『老子』は教えているのです。

★幸も不幸もない

 また、もっと深くこの『老子』を読み解けば、幸せも不幸も、実は物事や現象の両面である事が解って来ます。この世の中に絶対的な幸せとか、絶対的な不幸という事は無いのです。あらゆる変化を柔軟に受け入れて、何にも囚われない、決めつけない水の様な生き方が出来れば、私達は物事の真理により近づく事が出来、人生の大きな変化さえ楽しみながら生涯現役の人生の旅を続ける事が出来るのです。さあ、今年も『老子』に学び、水の様に自由自在に生きてゆこうではありませんか。

KEYWORDS:

オススメ記事

早島 妙聴

はやしま みょうちょう

東京都生まれ。道家〈道〉学院学長。一般財団法人日本タオイズム協会理事長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に生かすタオイズムの神髄を伝えている。著書に『あなたを変える30の言葉』(日本道観出版局)、『人生を豊かに生きる30の言葉』『前向きに生きる!30の言葉』(道家道学院出版局)などがある。



●道家〈道〉学院

公式ホームページ

「生きるタオ」検索

「気のトレーニング」検索

「早島BookShop」検索

http://tao-academy.jp/

Myocho Hayashima

●facebook 著者ページ

https://www.facebook.com/myocho.hayashima


この著者の記事一覧